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壁の中と外。一体感と疎外感

先日書いた集団の意思決定に関するブログに、メールやFacebookなどでご質問やご意見を頂きました。その中でも一番多かったこちらのご質問にお答えします。

 

伊藤さんは総合運動公園に賛成・反対のどちらだったんですか?

 

「反対」としました。Facebookに書いたのですが、次のような基準から自分なりに評価しました。

  1. コンセプト(誰に何を提供する施設なのか?)に共感できるか?
  2. 事業規模と長期的視野からの展望
  3. 初期投資、運用・修繕コスト、追加投資(リノベーション)計画の中身
  4. 短期的視野での経済効果
  5. つくば市政の中での優先順位(緊急度、重要度の視点から)
  6. 子供達の視点からみた施設の利便性
  7. スポーツ振興の手段の一つとして適切かどうか?
  8. 自分は利用者としてその施設に足を運ぶか?
  9. 観に行きたい!参加したい!と思えるようなスポーツイベントが開催されるか?予定はあるか?

この中でも特に1の「施設のコンセプト=誰に・何を提供するのか?」が不明瞭だったことや、イニシャル・ランニング・リノベーションにかかる費用計算が甘いと感じたのが反対した主な理由です。

 

私の周囲には賛成派の方もいました。その方々からお聞きした話も大いに参考となりました。人は皆違う。という前提に立った時、友達やビジネスパートナー、あるいは家族であっても意見が食い違うことは多々起こります。そこで「意見の違う人=敵」というような思考パターンに陥らないことが重要だと考えています。そのことについてもう少し書いてみます。

 

人は、基本的に自分の意見を尊重してほしい願っている。自分も、そして相手も。

 

という人の持つ特性を踏まえると、まず相手を尊重したうえで意見を交わす。そんなコミュニケーションスタイル(アサーティブ)がこのような賛否あるテーマについて話す際に必要だと実感しています。意見の食い違いから互いの人格を否定するようなやり取りに発展してしまうと、何らかの意思決定の度にその集団内に敵が増えていく・・・今回は反対派が多数を占めましたが20%は賛成しており、反対派の80%の中でも温度差があることを踏まえ、対話・議論を重ねていくことが必要なんだと思います。

 

目的(何のために)、目標(具体的な完成イメージ、計画)、行動

 

人は行動レベル、目標レベルでぶつかることが多いのですが、目的レベルでは理解し合うことができる場合が多い。個人的にこの案件も目的レベルでは賛成していました。ただ、反対派の皆さんがおっしゃるように、本当にそれを目的にしているの?という疑問は私も持っていて、その解消に至らなかったことも反対票を投じた理由の一つです。

 

壁をつくることで一時安堵するが、壁の中で再び争いが起きる

 

家族、血族、社員、賛成・反対派、市民、県民と括ることで一体感を感じるのが人。しかし、その括りの中で再び争ってしまうのもまた人である。これは歴史が証明する事実の一つです。「進撃の巨人」が描いているこの世界観は、最近のニュースを観るたびに事実であることを突き付けられます。家族や血族間での争いが会社の争いに発展する。あるテーマに対して賛成・反対派と別れていたが、内部で争い事が起こりさらに細分化していく。いつまでもこれを繰り返すわけにはいかないな~と思っても、巨人のように一人の人間ではどうしようもない力のようです。何はともあれ、賛成派・反対派と一括りにせず、一人ひとりと対話する姿勢が求められる。そう考えています。

 

集団の一体感を高めつつ、集団以外の方々との疎外感を高めないための方法とは?

 

いま、私の中で探究し続けているテーマの一つです。人類の歴史上、争いが無くなったことは一度もありません。そしてその争いは一体感と疎外感がかならず関係しています。

 

私自身の人生の中でも何度も争いが起こっています。そのきっかけを自分で生み出してしまったこともあります。だからこそ、その反省も踏まえて探究しているテーマでもあります。

 

互いの人格や存在を否定しあう争いではなく、お互いにとってより良いあり方を模索するための議論となることが理想ですが、なかなかその理想にたどり着くのは難しい・・・

 

と、話が飛躍して総合運動公園からだいぶ離れてしまいましたが、個人的に一体感と疎外感という視点を持ちながらこれからの動きに注目していきます。また、自分の家族や血族との一体感を高めるべく、このお盆休みは対話に時間を投資しようと思います。身近な人達との対話の中に、この壁を壊すためのヒントがあると信じて。



 

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