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伊那経営フォーラム 2013(第9回)での学び

先日、年輪経営で有名な伊那食品工業株式会社の塚越会長のお話を聴くために、伊那経営フォーラム2013に参加してきました。

今回は、元世界銀行副総裁の西水美恵子さんも講演されました。いまのブータンの素地を築いた国王のお話し。そこから得た気づきを実践され、世界銀行の在り方を大きく変えた実践者のお話は心に響くものがありました。

さらに、尊敬する鬼澤さんがコーディネートされたパネルディスカッションと超豪華な一日でした。

今日はその中でも特に印象に残っている二つの言葉をまとめてみます。

 

四方良し

近江商人の三方良しに、塚越さん独自の視点を加えた四方良し。

四方良し:買い手良し、売り手良し、世間良し、将来良し

 

商売をする上で、買い手(お客様)の良しと売り手(商売人)の良しを考える。そこに世間良しという公共・公益の視点を加えたのが近江商人です。

塚越さんは、さらに『将来良し』という時間軸を加えて物事を考えることが大切だとおっしゃいました。

 

伊那食品工業の経営の根幹となっている考え方に、二宮尊徳(金次郎)の言葉があります。

遠きをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す。
それ遠きをはかる者は百年のために杉苗を植う。
まして春まきて秋実る物においてをや。
故に富有なり。
近くをはかる物は 春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず
唯眼前の利に迷うてまかずして取り
植えずして刈り取る事のみ眼につく。 故に貧窮す。

私たちは、どうしても目先の利益に捉われて、未来のための投資を怠り、結果として目先の利益も得られなくなるということをしてしまいがちです。二宮尊徳は、そんな状態に陥っている農民たちに、未来のために時間(労力)を投資することの大切さを繰り返し説き、自ら実践していました。

 

『四方良し』という言葉は、二宮尊徳の教えを念頭に置きながら50年もの長きにわたって経営されてきた塚越さんの実践哲学であり、行動指針なんだと伝わってきました。

 

社員のための設備投資。流行後の反動を予測し、あえて大口顧客を断る。リストラしないのは無論の事、社員のリタイア後まで考えて仕事を創るなど、一般的な経営の常識に反するその経営手法の数々。『遠きをはかる』ことを本気で考え抜いて行動された結果ですが、聴けば聴くほど自分の半生を振り返って反省してしまいます(^^;

  

『いい会社をつくりましょう』現在進行形の社是

伊那食品工業の社是

いい会社をつくりましょう ~たくましく そして やさしく~

この社是が、現在進行形である意味を今回初めてお聴きしました。いい会社をつくるとは、つまり道(みち)であるということ。塚越さんは二宮尊徳の残した次の言葉を参照しながらその意味を語っていました。

人、生まれて学ばざれば、生まれざると同じ
  学んで道を知らざれば、学ばざると同じ
  知って行うこと能はざれば、知らざると同じ
  故に、人たるもの、必ず学ばざるべからず
  学をなすもの、必ず道を知らざるべからず
  道を知るもの、必ず行はざるべからず

人として生まれて、何も学ばなければ、(人として)生まれていないのと同じこと。

学んでいても、道を知らなければ、学んでいないのと同じこと・・・

 

道とは、現在進行形の取り組み。つまり、極めんと努力し続ける、これで終わり(達成できた)というのがないもの。自己研鑽し続ける日々。それが道です。

 

また、道を知るものは必ず行動が伴う。つまり、日々の実践こそが道を極めるために必要なことである。学び続けること、その上で道を知ること。そして実践し続けること。その重要性を自身の経験談を交えながらお話しされる塚越さんが、少し二宮尊徳と重なって見えました。

 

社是が現在進行であること。それは、会社として自己研鑽し続けるという意思表明であり覚悟である。

 

 

自然と向き合い、古典の叡智を学び、農業を極めんと実践し続けた二宮尊徳。

人と向き合い、先哲(二宮尊徳)の教えを学び、経営を極めんと実践し続ける塚越寛さん。

 

この二人が目指す(目指した)ところを、私も目指そうと誓った、最高のフォーラムでした。



 

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