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事業と組織の目的 続:ドラッカーの言葉から考える

今日は秋晴れのつくば市内で打合せが二件。自転車で移動するのがとても心地よく感じました(^^)

 

さて、昨日のブログに引き続き、ドラッカー氏の言葉から企業経営を考えてみます。

 

前回、企業の目的は公益にある。それは、売り手・買い手・世間全てが良しとなること。あるいは、まず世の中に必要なものか?それは正しいことかを先に考え、次に経済的に成立するかどうかを考えること。

 

そんな「三方良し」や「先義後利」こそ企業の目的であると書きました。

 

では、その企業が公益の為に取り組む活動=事業とは何か?ドラッカー氏は次のような言葉を残しています。

 

事業とは何か?

 事業は何かを知る第一歩が、顧客は誰かを考えることである。次に、顧客はどこにいるのか、顧客はいかに買うか、顧客にいかに到達するかを考えることである。

現代の経営

 

 企業が公益のためにある。つまり”誰かしらに何らかの価値を提供する”ことが企業の存在意義です。その『誰か』をより具体的にしたものが企業にとっての顧客となります。私が以前勤めていた企業では、事業の核となる「誰にどんな価値を提供するのか?」という定義を”コンセプト:Concept”と名付け、社員や取引先とそれを共有するために多くの時間を割いていました。

 

コンセプトを明らかにすることが事業の軸を定めることにつながります。バスケットボールのピボットのように、軸足に重心を置きながらも提供する商品やサービスは柔軟に変えていく。このことの重要性を身を持って体験しました。

 

誰かに何かを提供できれば事業としては成立します。しかし、ここで企業の目的である公益を忘れてはなりません。公益を忘れ、事業ばかりに囚われると公益性が失われ、自分達の存在価値を失うことにつながります。事業の成功、目先の利益に走りコンプライアンス違反を起こしたり、自分達の利益のために多くの人をだましたり、公害を撒き散らしてしまうようなケースがこれにあたります。

 

そしてもう一つ、目的と手段を間違えてしまいやすいのが組織です。

 

組織の目的とは?

組織はそれ自体が目的ではなく、事業の活動と成果という二つの目的のための手段である。

現代の経営

 

 まず企業の目的があり、次に事業がある。そのうえで組織を考える。言われてみれば至極当たり前のことのように聞こえます。しかし、この原理原則を忘れてしまい、組織ありきで物事を思考していまうことがよくあると感じています。

 

組織は、その事業に必要な活動をわける職務分掌(何の仕事を誰がやるのか?)と、事業目標を達成するために必要となる意思決定のレベルを決める職務権限(どこまでを誰が決めるのか?)、そして情報共有や相互作用という視点から観る職務連携(どんな共有・協力が必要か?)からなります。

この職務分掌、職務権限、職務連携を考えるときに、常に念頭に置くべきことが「事業の活動と成果」です。もっとも活動が効果的・効率的となり、成果につながりやすい組織をデザインする。 

 

しかし、現実には、組織に所属する人のために組織を作ったり、組織ありきで事業をどうするかを考えたりと、本末転倒の組織構築の事例は数え切れないほど存在します。そのような組織構築はひずみを生み、事業の活動と成果を妨げる原因となります。

  • 必要性ではなく、名誉や建前のために役職につける。
  • 自分のエゴを通りやすくするための組織構造にする。
  • 同業他社もそうしているので、とりあえず機能別・エリア別に組織を分ける。

・・・実は私自身もこのような失敗をしてしまった経験があります。数年後、その組織はより官僚的になり、うまく動かなくなっていきました。この話はまた別の機会に。



 

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